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新パナマ病とは?原因や対策方法はあるの?バナナが消えたら大変!... 1
新パナマ病とは?原因や対策方法はあるの?バナナが消えたら大変!
家計調査によると、果物の中で年間購入数1位のバナナ。バナナは健康的な食べ物で、栄養がいっぱい。むくのも、食べるのも簡単。その愛されているバナナが病気になって感染が拡大しています。
その病気とは、「新パナマ病」一度かかると治らないため、バナナの“不治の病”と呼ばれています。今回はバナナの病気「新パナマ病」についてご紹介します。新パナマ病ってどんな病気?約100年前に中米のパナマ周辺で確認され、その後、世界中に感染が広がったバナナの病気は「パナマ病」と名付けられ、流通していたバナナはほぼ絶滅しました。
新たなパナマ病の再来かも?ということで「新パナマ病」と呼ばれています。
毒性の強い新パナマ病がキャベンディッシュに大損害を与えています。原因菌はトロピカル・レース4(TR4)型と呼ばれ1990年に台湾で初検出されたのち、インドネシアやフィリピン、豪州北部の農園を全滅させました。
トロピカル・レース4(TR4)型はバナナの根に入りこんで水や栄養を吸い上げるのをブロックして木を枯らします。病気になった木を治したり、土壌から菌を取り除いたりするのは、ほとんど不可能と言われています。もしも世界のバナナ生産の中心地である中南米に飛び火したら、たいへんなことになります。
パナマ病の原因はなに?フィリピン産のバナナが値上がりしています・・・数年前までいつも手頃な値段で買えたバナナが、値上がりを始めました。その理由は、2012年12月にフィリピンで起きた台風が原因なんです。
日本で食べられているバナナの9割は、フィリピンからの輸入です。そのフィリピンが、巨大台風により壊滅的な打撃を受けてしまったのです。さらに、大量の雨により土壌が流され、一部の地域にあった菌が他の場所にも広がってしまったんです。
これが原因で、バナナが病気になり次々に枯れていきました。その結果、生産量がガタっと落ちてしまい、バナナの値段が上がってしまったんですね。また、強風によってたくさんのバナナの木が倒れたのも原因のひとつです。数年たった今も、完全に回復する事が出来ないでいます。またさらに、円安の影響も加わった事で大打撃です。
パナマ病の病原菌はなに?バナナの木が枯れたり黒ずんだりする病気で、病原菌はカビの一種、フザリウムです。菌が「根っこからバナナの木に感染し、いずれ木を殺してしまいます。台風による洪水や農場に出入りするトラック、人の靴についた土が運ばれることで拡散します。1950年代、世界中に輸出されていたグロス・ミシェル種は、このパナマ病のために1960年代にはほぼ全滅しました。パナマ病の菌は農園の土壌全体に広がるため、農園は最高で40年に渡り汚染されることになります。
グロス・ミシェルがなくなった理由昔はグロス・ミシェルというバナナがあり、今のバナナよりもクリーミーでしっかりして味わいも良く歯ごたえがありました。グロス・ミシェルは繁殖力が強くてかかってしまえば不治の病になるカビにむしばまれて、1960年代にはほとんどがなくなってしまいました。世界中のほとんどのグロス・ミシェル農園が、このカビによって潰れてしまいました。
そして、私たちが今、食べているバナナ「キャベンディッシュ」が注目されるようになったのです。日本ではキャベンディッシュが最もポピはュラーなバナナです。グロス・ミシェルより味が悪く耐寒性も低かったのですが「パナマ病」の菌の侵入を防ぐことができると思われていました。キャベンディッシュはパナマ病にかからないと思っていた・・・1990年代にキャベンディッシュにも感染する新パナマ病が発見されました。
台湾で最初に見つかり、その後、中国、インドネシア、マレーシア、フィリピンなど東南アジア各国で感染が拡大しています。数千ヘクタールのバナナ農園がすでに新パナマ病で壊滅したと言われています。もしかしたらキャベンディッシュがグロス・ミシェルと同じ運命をたどるのではないかと心配しています。
新パナマ病に対策方法はあるの?対策としては・カビの駆除方法の確立、・新たな品種の開発・原因のカビを持ち込まないこの中でカビの駆除方法というのは無理で一度、感染してしまえば、あきらめなければいけない状況です。
新たな品種については、開発段階でまだまだ遠い未来のようです・・・。
そこで一番期待されているのが原因のカビを持ち込まないための対策となり、これは靴のスプレー消毒や出入りの制限になります。原因を持ち込まない手段としては効果的で、オーストラリアでは一定の成果を上げています。感染エリアの休耕と消毒をすることとそのエリアにも埋められる品種を選んで新品種として開発して、試験的に栽培も始めています。
バナナはタネから育てないバナナはタネで育たない分、ひとつの苗からクローンを作って増やすので同じ特性をもって生まれてきます。
だから同じ病気にかかりやすく同じ病気に強い!性質の違う、病気に強い新しい品種を見つけて増やすとなると、どうしても時間がかかってしまうんですね・・・。
タネ無しとタネ有りを掛け合わせて新しい品種のタネを作るのですが、その掛け合わせをしていっても100万本に3粒程度しかタネが取れないんだそうです。
バナナ フィリピン産とエクアドル産の違いってなに?日本ではエクアドル、台湾などの国のバナナの販売を進めています。
90%以上だったフィリピン産バナナががじわじわと減ってきているためです。
フィリピン産 「ジャイアント・キャベンディッシュ」しっかりとした厚い皮をしていて日持ちがよく、果肉はなめらかでさっぱりとした甘さがありますエクアドル産 「グラネイン」「オリート」「サニートバナナ」や「エナーノバナナ」というブランドが人気。品種としては「グラネイン」が多いです。見た目はフィリピンバナナに似ていて、深みのある甘さがあります。「オリート」も糖度が高いバナナです台湾バナナ昭和初期から中期にかけて高級品として重宝されたのが、この「台湾バナナです。その頃は「北蕉」という品種がメインでしたが、最近では「仙人蕉」も増えてきました。フィリピンバナナに比べると果実が短めで太く、果肉はねっとりとした感じです。甘くて濃厚な味わいは今でも人気があります。ただ、台湾産は流通量が全体の1%程度しかなく、価格も高めです。
終わりに
現状ではキャベンディッシュ種に依存しすぎていると言われています。新パナマ病に耐性のある品種に切り替えるためには数年はかかるそうです。むかしむかし、高級な果物だったバナナ。また高級化する可能性はあるのでしょうか?でも、バナナは今だに野生の新種が見つかる植物です。そして、食べてすぐ吸収されてエネルギーとなるもの、時間をかけて徐々にエネルギーに変わるものが一緒に入っている「奇跡の食べ物」です。新種が見つかり明るい未来がきますように・・・。